ホーム > Q&A > Q.銀行の手数料が気になるのですが。
Q.銀行の手数料が気になるのですが。

A

銀行の収益源は、「金利収入」から「手数料収入」にシフトしつつあります。特に、目に見えない手数料に気をつけましょう。
 

銀行の収益源は、バブル崩壊までは大半が「金利収入」でした。典型例が、個人から預金を預かり、その預かったお金を企業に貸し出すという仕組み。バブルのころは預金金利が5%とか6%だったことを覚えている方もいるのではないかと思います。今に比べて随分高いと思うでしょうが、貸出金利も8%とか9%ととても高い時代でした。そして、預金金利6%と貸出金利9%の「差額3%」が銀行の収益だったという事です。銀行は預金を増やして貸出を増やせばその利ザヤで儲かった時代です。

でも今はどうでしょうか。預金金利は0.1%そこそこで、バブル期を知っている預金者にとっては雀の涙そのものです。ただし貸出金利も2%そこそこです。さらに企業の立場から言えば、景気が低迷している時に無理に借り入れをして設備投資をする必要も無い。「2%ではなくもっと安くしてくれるなら借りても良い」というスタンスです。上場企業などは、銀行から借りずに直接金融で社債を発行して市場から直接資金調達する手段もかなり一般化しました。銀行はバブル期のように「利ザヤを3%」稼ぐのはほぼ不可能になってしまったのです。

でも個人の預金者はリスクをとりたくないし、将来の年金不安や賃金減少を見越して、預金意欲は引き続き高く、預金をどんどんしてくれる。でも企業は借りてくれない。そんな中、最近は、企業に貸し出さずに利ザヤは小さいですが、金庫に眠らせているよりはと、「国債を買う」という事をしています。実は預金者は銀行に預けているつもりが、間接的に「国債を買っている」という状態になっているわけです。

今までのような収益モデルでは稼げないということで、銀行が打ち出した収益モデルが「フィービジネス(手数料)への移行」です。

2000年初頭、金融ビックバンが叫ばれ、政策も「貯蓄から投資へ」と猛烈な後押しの中、「投資信託」という商品が猛烈に販売額を増やしていきました。投資信託とは、投資家から集めた資金を1つにまとめ、運用の専門家(プロ)が債券や株式などで運用し、その運用成果に応じて投資家に収益を分配するという金融商品です。投資家はたくさんの投資対象と銘柄をリサーチし、一人で購入したり管理したりするのはほぼ不可能です。その点、投資信託であれば少額からでも複数資産への分散投資が実現でき、それを投資のプロが選別し、管理してくれるという意味においては、素晴らしい仕組みという他ありません。

しかしここで銀行の手数料が足を引っ張ります。まず購入時(入口)に「販売手数料」と称して投資信託購入額の2~3%の手数料を徴収します。そして、保有時(途中)には「信託報酬」と称して、管理料という意味合いで保有額の1%前後の手数料が「毎年」徴収されます。そして解約時(出口)には「信託財産留保額」という名目で0.5%前後の手数料が引かれます。「入口」で3%、「途中」で毎年1%、出口で0.5%です。

投資信託セールスのうたい文句の「長期投資」をしたらどうなるでしょうか。20年間の投資と考えると、入口3%+途中で20%(1%が20年分)+出口で0.5%=23.5%。なんと投資残高の23.5%が手数料として無くなってしまう事を意味しています。1,000万円投資していたら、235万円です。もし資産価格が上昇していたとしても実質20年で23.5%以上上昇していないと、手数料分がマイナスになるという事です。もし、資産価格が下落していたら......目も当てられません。これが今、巷で売られている投資信託の手数料の実情です。

手数料は、中国やブラジル、資源国ファンド等のブームとなっている銘柄ほど高い傾向にあり、銀行にとっては格好の販売推奨銘柄となっています。
最近やっと少しずつですが、入り口の販売手数料と出口の信託財産留保額が「ゼロ」の「ノーロード投信」が増えてきました。しかしながら未だに海外に比べて手数料が割高な投資信託が多く、日本では相場よりも手数料に運用成績が引っ張られてしまう実情があり、それが日本人がいま一つ「投資」に目覚められない原因とも言われています。

昨今、企業向けに「デリバティブ」という金融派生商品がしきりに提案される傾向にありますが、これも手数料が高く取れるというのが、最大の要因です。この不況下に、一部大手メガバンクが「史上最高益を出した」というニュースがちらほら聞こえてきます。銀行本来業務である「預金、貸金業務」が振るわないのに、なぜ最高益が出せるのでしょうか。

そろそろ、銀行だけを儲けさせることを辞めてもいい頃ではありませんか?