ホーム > Q&A > Q.キャッシュフロー(CF)経営とはなんですか?
Q.キャッシュフロー(CF)経営とはなんですか?

A

実際の「現金収支」に着目した経営方法です。損益計算書(P/L)や貸借対照表(B/S)では必ずしも正しく現金の出入りを把握できず日本では数年前に黒字倒産が頻発しました。経営目的である現金残高をいかに残すかという点に着目した経営であり。アメリカでは一般的な経営です。
 

かつて財務諸表といえば、貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)が中心でした。しかし、利益や費用の動きと「キャッシュ(現金)」の動きは必ずしも一致しないため、P/L上では利益が出ているにもかかわらず、資金繰りがショートして倒産してしまうケースもあり、P/LとB/Sだけでは経営状態を正しく把握できない問題がありました。そこで登場したのがキャッシュ・フロー計算書(C/F)です。米国では"キャッシュ・フロー経営"という考え方が広く普及しており、企業の業績の善し悪しを「自由に使えるキャッシュ(フリーキャッシュ・フロー)をどのくらい生んだのか」という視点でみています。

なぜ、キャッシュ・フロー経営が注目されるのでしょうか。その背景には、損益計算書(P/L)の純利益だけでは、企業の経営状態を説明できない点にあります。

その典型例は黒字倒産です。黒字倒産とは、「勘定合って銭足らず」と言われるように、P/L上の純利益が黒字にもかかわらず、支払う現金がショートして倒産することを指します。損益計算書と現金の流れが一致していれば、黒字倒産は発生しません。

一方、キャッシュ・フロー経営では、損益計算書の純利益ではなく、現金の出し入れ(以後、キャッシュ・フローと呼びます)に着目し、このキャッシュ・フローを最大化することを考えます。企業の経営目的は数多くありますが、営利法人として利益を追求するという視点に限れば「利益の本質とは"自由に使えるキャッシュ"をいかに稼ぐかということ」とするのがキャッシュ・フロー経営の基本的な考え方だと言えるでしょう。

現代の財務論においては、キャッシュ・フローを把握することが、今会社がどういう状態にあるのかを教えてくれる指標だといっても過言ではないのです。

最近では、キャッシュ・フロー計算書(C/F)の位置付けは、これまで何度か触れた損益計算書(P/L)および貸借対照表(B/S)とならんで、財務3諸表の1つとして数えられています。

C/Fの説明を行うために、まずはB/Sの動きに注目してみましょう。B/S中の資産である現金は当然ながら増えたり、減ったりします。たとえば、ある事業年度の現金が10億円で翌年度の現金が12億円だったとします。2億円の増加の理由は何でしょうか? 実はB/Sだけではこれを読み解くことができません。きちんと本業が儲かって現金が増えたのかもしれませんし、あるいは銀行から借り入れをして現金が増えたのかもしれません。1年の間に現金がどのように増減したか、この詳細を明らかにするのがキャッシュ・フロー計算書なのです。

キャッシュフロー計算書は以下の3つを記載します。

1)営業活動によるキャッシュフロー
(本業の事業によって稼ぎだすキャッシュフローの事)
2)投資活動によるキャッシュフロー
(株式や有価証券の売買・設備の売買によるキャッシュフローの事)
3) 財務活動によるキャッシュフロー
(資金借入による収入・借入金返済による支出、資金調達等によるキャッシュフロー)

1)の営業活動によるキャッシュ・フローとは、本業の事業によって稼ぎだすキャッシュ・フローのことです。P/L上の営業利益と一致するものではなく、たとえば減価償却費などキャッシュの動きを伴わない費用や収益を除いて、キャッシュの動きのみを追ったものです。算定方法が複雑なので、経理上は営業利益から間接的に求めるのが一般的です。ここが赤字の場合は、本業でキャッシュを稼ぎ出せていないことになり、危険な状態であると言えます。経営状態を知る上でもっとも重要な指標と言えるでしょう。

2)投資活動によるキャッシュ・フローは、工場新設の新規設備投資や遊休設備の売却、あるいは、他社の有価証券取得や売却などに関して発生したキャッシュの動き、まさに投資に関わるキャッシュ・フローのことです。営業活動によるキャッシュ・フローを最大化するためにも、新規設備投資による競争力の強化が欠かせません。投資活動によるキャッシュアウトを増やせば、将来の競争力の糧になることも考えられます。その意味ではキャッシュアウトが必ずしも悪いわけではありませんが、無闇に借金をして投資しては意味がありません。

3)財務活動によるキャッシュ・フローとは、銀行借入による資金調達やその返済、新株の発行や配当金支払いなどによって構成されています。銀行借入により資金を調達した場合は、現金が増加するので財務活動キャッシュ・フローはプラスになります。一方、負債の返済の場合は、これまでの借入金を返済するので、現金を銀行に支払う必要があるので、財務キャッシュ・フローはマイナスになります。新株発行はキャッシュが入ってきますが、配当金は現金を支払うことになるので、財務キャッシュ・フローはマイナスになります。

当社では、パートナーの税理士、会計士と共に、従来のB/S、P/Lはもちろんのこと、より機動的で戦略的な、経営にすぐに活かせるCF計算書をお作りしています。
企業にとっては、数か月先の資金見込みまで見渡したり、過去のCF履歴から、今後の売掛サイトのコントロールや現金化推奨予測を立てることが出来ます。
昨今、金融機関は、このCF計算書を作っているかどうかを、融資審査の際に重要視する傾向があります。急な資金繰り倒産を防止し、将来にわたって「現金」の出入りに対する意識が高いという面で、優良企業として判断されます。ぜひお気軽にご相談ください。