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Q.マイホームを買おうと思いますが、注意すべき点はありますか?

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一番大事なのは「心の豊かさ」「満足感」を得られることです。しかし「将来的な資産価値の維持を図ること」も大切。最初の物件選びは、慎重に行うべきです。
 

「一国一城の主」という言葉があるように、マイホーム(マンション含む)を持つことは人生の中での大きなステップであり夢です。しかしながら最初の物件選びを間違うと、マイホームが長い将来「重荷」になりかねません。私は常々、『「家選びと」「生命保険」だけは失敗してはいけない!』と言い続けています。不動産は文字通り、一度購入すると変更したり返品したり簡単には出来ない資産ですから、専門家との相談も含め慎重に行うべきです。

私の友人の家族の実話です。聞いてください。

その家族がマイホームを買おうと決断したのは、夫が34歳の時。同い年の妻と、7歳と5歳のお子さんがいました。夫の郷里が地方だったこともあり、自然豊かな首都圏郊外に一戸建てのマイホームを買いました。夢にまで見たマイホーム。整然としたきれいな街並み。新興住宅地だったこともあり、周りには同じような家族構成のファミリーがいっぱい。奥さんは「主婦友達がたくさん出来そうでうれしいわ」、子どもたちも「みんな同じ学校の友達だからうれしい!」と笑顔。そして、人があふれ、活気がみなぎる商店街。公園も子どもの笑い声が絶えません。夫は、マイホームを手に入れた喜びと将来への希望を胸にいっぱいにし「都内の会社まで1時間40分、最寄駅から家までバスで15分と通勤には少し遠いけど。この幸せがずっと続く。やっと幸せを手に入れた。マイホームを買って本当に良かった」と確信したそうです。
それから25年。あと数年で住宅ローンも返済し終えるという時期。
かつて新興住宅地だった街、なのに住人は皆、心なしか元気がなさそう。人であふれていた商店街は閑散。公園に子どもたちはほとんどおらず、遊具への落書きも目立ちます。壊れても修理されずに放置された遊具もあります。全体的に活気がありません。
随分前から予兆はありました。まず、自分の子どもたち。大学に入学した頃から「家からでは通学に時間がかかる」と都心で一人暮らしをするようになりました。親として「通学のためだ、仕方ない」と思っていましたが、大学を卒業して就職しても一向に実家に帰ってくる様子はありません。ついには「将来結婚しても実家に帰るつもりはない、遠くて不便」と冷たく言われたそうです。気づけば、昨今の少子化も手伝ってか、家の周りに若者が少なくなりました。あれだけ賑わっていた駅前の商店街もシャッターが閉まっている店がほとんど。どのような契約形態になっていたのか、駅前のスーパーとコンビニも撤退してしまいました。無理もありません。消費をしてくれる若者がおらず、残された中年夫婦も過度には買い物をしないのですから。さらに、かつて20分に1本だったバスも、40分に1本に減りました。近くの小児科も数年前につぶれてしまいました。町会の積み立ても滞納が増えて立ち行かなくなり、最近は町中で雑草が生えています。「子どもたちが将来家に戻らないなら」と屋根や外装のリフォーム、クリーニングをしている家も最近は一切見なくなり、薄汚れた外壁の家が多くなりました。
ふと不動産のチラシを見ると、新築時に5,000万円もした新築一戸建てが、売出価格2,000万円になっていました。「3,000万円も下がってるのか」。もうすぐ住宅ローンも完済とはいえ、今まで金利も含めて総額7,000万円以上支払った計算だ。それが今や資産価値2,000万円という現実。差額の5,000万円はいったいどこに消えてしまったんだろう。退職金も年金も将来どうなるかわからない。これじゃあ完済しても、悠々自適とは言えない。2,000万円じゃあ、住み替えも難しい。
「こんなはずじゃなかった」夫は遠い目をしてつぶやきました。

......このご家族の状況をみなさんどのようにお感じになりますか?

実は今、日本中でこのような状況が現実化しようとしています。
日本は戦後の高度経済成長で、1900年初頭に4,000万人だった人口が2006年に約13,000万人に増えました。そして今、少子高齢化で少しずつ人口が減り始め、最新の人口統計では2050年ころに約9,000万人、2100年ころには約4,000万人に逆戻りするそうです。 高度経済成長時には人口ボーナスで不動産価値が大幅に上昇しましたが、これからは大幅に人口減少する時代。高齢者層の増加による社会保障負担も格段に増えます。不動産価格という面では大幅な巻き戻しが入る可能性があります。

これからは自宅であったとしても不動産は選別の時代になります。その選別を誤ると、上記のご家族のような現実が確実といっていいほど、起こります。

これからの不動産選別のポイントは、「都心立地」であること、「駅近」で「利便性が高い」ことです。

人口が激減するとはいえ、都心に人口が集中するという状況はこれからも変わりません。それに対して郊外や地方は劇的に人口減少、高齢化が進み、不動産価格の下落も著しいでしょう。
不動産価格は、需要と供給で決まりますから、その地域の魅力(高くても買いたいか)が無ければ、容赦なく下落することになります。

子どもたちが将来大人になったとき、就職や結婚というタイミングで、「実家に住んでもいい」と思うだけの立地、利便性の価値がない不動産の資産価値は将来厳しいでしょう。
その不動産を将来引き継ぐのも子どもたちです。子どもたちが「この不動産を遺してくれてありがとう」と思うのか、それとも「こんな不動産将来どうすればいいんだ」と落胆させるのかは、これからの物件の選別にかかっています。

上記のご家族ももし、もう少し都心立地の利便性が良い不動産を購入していたら、子どもたちは通学も通勤も実家からという可能性が高かったでしょうし、結婚後も二世帯住宅に建て替えようか、という選択肢もあったでしょう。若者で街が潤い、お孫さんが出来れば小児科や公園も活気を維持できたことでしょう。または、不動産価格も4,000万円程度の価値を維持していれば、都心に夫婦2人暮らし用のこじんまりしたマンションに住み替えたり、夫の郷里で悠々自適な老後も実現できたことでしょう。世代が入れ替わる街であることがこれからの価値のある不動産選びの尺度です。

少なくとも抑えていただきたい、将来にわたって「価値を維持する不動産」は以下の通り。
1)東京(または大都市)近郊であること
2)通学・通勤1時間(出来れば30分)圏内であること
3)駅近であること
4)街の計画において分譲物件だけでなく、賃貸物件も多いこと(世代の入れ替わり促進)

ご留意ください。

もちろん、マイホーム選びは「資産価値がすべてではありません」。その地域に住むことによる心の充実感、豊かさの実感、家族の幸せ、憧れ、地縁、血縁がある場合もあるでしょう。それらを総合的に考えるべきであり、損得だけで考えるのはナンセンスです。

ぜひ「最終的に」納得感のあるマイホーム選びをしていただきたいと思います。

当社では占部の不動産の知識、実務経験はもちろんのこと、提携不動産会社、不動産コンサルタントと協働して、クライアントのご希望に沿った最適なマイホーム探しをお手伝いしています。マイホーム探しは「幸せ探し」でもあります。ぜひお気軽にご相談ください。